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2022年03月23日

【FPに相談・家計のあれこれ⑥】ふるさと納税で所得税と住民税を節税できる!?

家計の見直しやおトクな公共料金の支払い方法など、ファイナンシャルプランナー(以下「FP」)に相談する【FPに相談・家計のあれこれ】コーナー。シリーズ第6弾は、「ふるさと納税で所得税と住民税を節税できるの!?」というご相談です。

30代男性Fさんのお悩み

節約への新たなトビラ…ふるさと納税ならカンタン!

ふるさと納税とは?懐かしい生まれ故郷や地域を応援する制度です

ふるさと納税は自分の生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域や、これから応援したいという思いを実現し、「ふるさと」へ貢献するための制度です。具体的には、住所地へ納税する住民税を「ふるさと」へ移動する仕組みとなります。

制度としては、寄附金税制を活用し、法律上は寄附とそれに伴う税の軽減を組み合わせたもの。寄付先は、総務大臣による指定を受けている日本全国の自治体(都道府県・市区町村)が対象です。気になる節税効果などの具体的な金額は、次項で計算式や目安の金額をご案内します。

《ふるさと納税できる時期はいつ?》
12月に入ると、ふるさと納税に関するネットニュースなどが増えるイメージがあります。というのも、ふるさと納税ができる対象期間は1月1日~12月31日なので、その年のふるさと納税限度額を使い切っていない方に、「12月31日まで、まだ間に合いますよ!」と利用を促す意味もあったようです。

一方で、12月では夏の農産物などの返礼品は受け取れない場合もあります。おおよその年収が予想できる場合には、年初から1年間の予想を立てて計画的に利用していく方がおトクかもしれません。

ふるさと納税で節税とは?所得税と住民税が控除されます!

ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります)。

所得税と住民税では、控除される際に違う仕組みの取り扱いとなります。具体的には、下記の計算式で求められます。

《控除額の計算》
①所得税からの控除=(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
②住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%

ここで注意が必要なのは、ふるさと納税には全額控除される納税額に年間の上限が定められていることです。ふるさと納税を行う方の収入と家族構成で変わってきます。年間上限を超えた金額は、全額控除の対象になりません。

気になる上限金額の目安となる給与収入と家族構成については、次項「ふるさと納税で「全額控除される納税額」から「申請の流れ」まで」に参考となる表を掲載しています。こちらをチェックしてみましょう。

《控除されたお金はいつもらえる?》
所得税の控除の場合は、確定申告した場合には、1~2か月後くらいに、申告の際に指定した口座へ還付されます。住民税の場合は、ふるさと納税の翌年6月以降に納める税金から軽減されます。住民税は、住民税決定通知書が会社員の方は会社から配布され、自営業の場合は市区町村から郵送で届きます。

ふるさと納税で控除を受けるには?申告書類がカンタンになる裏技も!

ふるさと納税を行って控除を受けるためには、原則として翌年に確定申告を行う必要があります。前年に住民税を払っていれば、学生の方でも、新卒の方でも適用されます。税額を控除する制度のため、前年に税金を納めていない場合は、控除する税額がないため、当てはまりません。

確定申告不要の会社員などの方の場合は、ふるさと納税を行う自治体が5団体以内の場合には「ワンストップ特例制度」が利用できます。「ふるさと納税って、おトクそうだけど、確定申告はハードル高いよ!」という声に応え、平成27年4月1日以降の寄附について適用となりました。

「ワンストップ特例制度」についても、別項で詳しくお伝えしましょう。

ふるさと納税で「全額控除される納税額」から「申請の流れ」まで

ふるさと納税額(年間上限)は年収や家族構成で確認しよう

前項で、ふるさと納税の税額控除には、年間上限額がありますよ、とお伝えしました。ここで繰り返しになりますが、税額の計算式や収入と家族構成で変わる、全額(2,000円を除く)控除されるふるさと納税額の目安をご紹介します。

《控除額の計算》
①所得税からの控除=(ふるさと納税額 − 2,000円)×「所得税の税率」
②住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額 − 2,000円)×10%

「計算式だけだとイメージがわかない」という皆さま。ザックリですが、目安となる金額を総務省ふるさと納税ポータルサイトから、ふるさと納税を行う本人の給与収入、家族構成の表を抜粋して表にしましたのでご参照ください。

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安

※1「共働き」は、ふるさと納税を行う方本人が配偶者(特別)控除の適用を受けていないケースを指します。(配偶者の給与収入が201万円超の場合)
※2「夫婦」は、ふるさと納税を行う方の配偶者に収入がないケースを指します。
※3「高校生」は「16歳から18歳の扶養親族」を、「大学生」は「19歳から22歳の特定扶養親族」を指します。

※総務省ふるさと納税ポータルサイトから、ふるさと納税を行う本人の給与収入、家族構成の表を抜粋して表作成

出典元:総務省「ふるさと納税ポータルサイト|税金の控除について」より一部抜粋

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html#block02

具体的な計算方法については、お住まいの市区町村ごとに異なります。詳しくは、お住まいの市区町村へお問い合わせください。

《寄附金控除額の計算シミュレーションExcel》
「目安だけだと、ちょっと不安!」と感じるのも、ごもっともです。節税なので、できれば効果的な金額を寄附したいものです。ひと手間かけて、具体的な金額を確認してみましょう。

総務省ふるさと納税ポータルサイトでは、年収と家族構成から寄付金控除額が計算できるExcelファイルをダウンロードすることができます。ご家族で確認してみてはいかがでしょうか?

総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

《ふるさと納税の返礼品、課税対象になるの?》
「豪華な返礼品をもらえて、トクした気分!」に水を差すようで申し訳ないのですが、実はふるさと納税の返礼品、税制では「一時所得」に該当します。「一時所得」はその名のとおり、一時的に得た所得のことです。例えば懸賞やクイズの賞金・賞品、競輪・競馬の払戻金、生命保険の満期保険金などが該当します。

この一時所得には特別控除額年間最高50万円が適用できますので、50万円を超える場合に、超えた額のみ課税対象となります。一時所得の額がふるさと納税の返礼品だけで50万円になる場合は稀かと思いますが、他の一時所得がある場合は注意しましょう

ふるさと納税ワンストップ特例制度とは?

ふるさと納税ワンストップ特例制度は、会社員など給与所得者の方で、ふるさと納税の寄附先が5団体以内の場合に利用できる制度です。

大きな違いとして、確定申告が不要になること、所得税からの控除はなく、控除額の全額がふるさと納税を行った翌年度の住民税の減額となることが挙げられます。具体的な利用方法を次項で確認しましょう。

ワンストップ特例利用で全額住民税の減額に!ふるさと納税申請の流れ

ワンストップ特例を利用する場合、ふるさと納税の申請の流れが変わってきます。それぞれのパターンを紹介しましょう。

ワンストップ特例を申請する場合の流れ

確定申告が不要である会社員などの給与所得者の方は、ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内である場合に限り、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が可能です。

①応援する自治体を選ぶ
もし、6団体以上にふるさと納税を行った場合は確定申告が必要ですので、注意しましょう。

②ふるさと納税をする
ふるさと納税を行う際に、ふるさと納税ワンストップ特例の申請書に必要事項を記入して、ふるさと納税先の自治体に送るだけです。ふるさと納税先の自治体のホームページなどで確認しましょう。

③翌年度の住民税からの控除
所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年度の住民税の減額という形で控除されます。

ワンストップ特例を申請しない場合の流れ

①応援する自治体を選ぶ
返礼品から応援自治体を選んだり、災害復興の応援寄附をお選びいただけます。

②ふるさと納税をする
ふるさと納税を行うと、確定申告に必要な寄附を証明する書類(受領書)を自治体が発行してくれます。払込票控(振込用紙の半券)が確定申告を行う際の寄附を証明する書類となる場合もありますので、しっかり保管しましょう。

各自治体ごとに、それぞれふるさと納税の申込方法や納付方法が違います。ふるさと納税先の自治体のホームページ等でしっかり確認しましょう。

③確定申告する
ふるさと納税を行った翌年の3月15日までに、住所地の所轄の税務署に確定申告をしましょう。ふるさと納税の寄附を証明する書類(受領書や払込票控など)を添付します。

④所得税からの控除
確定申告でふるさと納税を申告すると、所得税から控除されます。また、源泉徴収等で既に納めている所得税がある場合に還付される金額は、申告した方の収入や、他の控除等の状況により変わってきます。

⑤翌年度の住民税からの控除
ふるさと納税を行った翌年度の住民税が減額される形で控除を受けられます。

それぞれの自治体から送付される「寄附金受領証明書」の代わりに、一度に証明書類を入手できる「ふるさと納税サイト」もあるようです。チェックしてみてはいかがでしょうか。

郷里の災害復興支援にも!ユニークなふるさと納税返礼品あれこれ

返礼品は地元特産品であることが原則です

ふるさと納税制度は、2008年(平成20年)の5月からスタートしました。地方都市の人口減少による税収の減少や、大都市との格差是正への対応などが制度の目的です。

当初は、返礼品に家電やギフト券などがあり、返礼品の割合も寄附額の8割などの地方自治体がありました。一部の自治体へ人気が集中するなど、制度の目的とかけ離れてきたため、2019年に総務大臣がふるさと納税にふさわしいと考えられる地方団体の基準を示し、基準に適合した地方団体をふるさと納税の対象として指定しました。

《ふるさと納税指定制度》
①寄附金の募集を適正に実施する地方団体
②(①の地方団体で)返礼品を送付する場合には、以下のいずれも満たす地方団体

  • 返礼品の返礼割合を3割以下とすること
  • 返礼品を地場産品とすること


出典元:総務省|ふるさと納税ポータルサイト|トピックス|ふるさと納税に係る指定制度について

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20190401.html

利用者目線では「8割の方がおトクでは?」と考えますが、制度の目的から大きくズレている仕組みは、無理が出て破綻する恐れがあります。制度の改正で、”地方を応援する寄附”の姿に近づくことができたのではないでしょうか。

ふるさと納税サイトから災害復興資金を贈ることも!

この数年、台風や地震などの自然災害被害が大規模になってきていると報道されています。熊本地震で崩れた熊本城石垣の映像に、胸を痛めた方も多いのではないでしょうか。大雪や、落雷などの被害も広がっています。

災害の爪痕を残すふるさとに災害復興資金を贈りたいと思っても、今までは手軽に寄附する手段が限られていました。ところが、ふるさと納税では災害支援も手軽にでき、さらに節税になります。

また、ふるさと納税を扱うサイトの中には、「災害支援の場合には、寄附受付のサイト利用料を自治体からいただきません」という良心的なサイトもあります。ふるさと納税の寄附先をご検討の際は、災害支援も選択肢の一つにいかがでしょうか。

ふるさと納税で賢く節税!ふるさと支援にもつながる!

気に入った返礼品も期待できて、節税にもなるふるさと納税。主なポイントは以下のとおりです。

  • ふるさと納税は、寄付金税制を活用し、税金が軽減される制度
  • ふるさと納税は、1月1日~12月31日に利用できる
  • ふるさと納税は、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度(一定の上限あり)
  • 原則として確定申告が必要だが、会社員などの給与所得者の方は、ワンストップ特例制度も利用できる
  • ワンストップ特例制度を利用すると、住民税控除のみになる
  • 全額控除される納税額は、年収と家族構成に左右される
  • ふるさと納税で災害復興支援もできる


2008年にスタートしてから10年以上経ち、ふるさと納税の仕組みも、「ふるさとを応援しよう」という色合いが濃くなってきました。返礼品で、“その地方ならではの逸品“との出会いもあるようです。ご家族で比較サイトなどをチェックしてみてはいかがでしょうか。

※2022年3月14日時点の情報です。

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